「オプーナ」レビュー


もう少し 子どものままで いいですか

Wii専用ソフト「オプーナ
発売元:コーエー
ジャンル:ライフスタイルRPG
プレイ人数:1人
使用ブロック数:3(コピー可)
セーブデータ数:8
CEROレーティング:A
ヌンチャクまたはクラシック必須
プログレ対応・ワイド非対応


ゲームの内容とは関係の無いところで悪いイメージが定着してしまった感のある本作。
しかし、実際にはかなりの良作です。


まず特徴的なのが「ライフスタイルRPG」と銘打たれているシステム。
主人公オプーナは、多彩なノルマをこなし、様々な「ライセンス」を取得して成長していきます。
身も蓋もない表現を使えば、「究極のおつかいゲー」と言うこともできますが、
ボリュームや熱中度はきわめて高いといえるでしょう。


操作方法についても触れておきます。
本作は、すべての操作がヌンチャクのスティックとC・Zボタンのみで可能です。
通常のヌンチャクスタイルでプレイすると
リモコン側のボタンはショートカットとして機能するのでこれはこれで便利ですが、
ヌンチャクのみの「親指らくらくプレイ」は非常に快適です。(利き手で持つのがポイント。)
一応クラコンにも対応していますが、クラコンを選ぶ利点はほぼ無いといって良いでしょう。


当然ながら、戦闘もすべてヌンチャクのみで行います。
オプーナの頭にある「エナジーボンボン」を弾いて 敵にぶつけるのが基本ルールです。
少し慣れが必要ですが、非常にスピーディかつ奥深いバトルが展開されます。


画面写真を見てわかるとおり、グラフィックはお世辞にも良いとはいえません。
しかし、他の作品にたとえるなら「MOTHER3」のような、
“グラフィックに頼らない 本質的な魅力”を感じます。
敵キャラや、各地に存在する現代芸術的なオブジェの造形は素晴らしいですし、
いわゆる絶景ポイント的な場所も多いと思います。
リアルレンダムービーもボイスも無しに進行するストーリーにも、
どこか懐かしい暖かみがあります。




ここからは気になった点を。


本作は3Dですので、カメラがグリグリと大きく動きます。
移動スピードの速さも仇となり、酔いやすい方には辛いものがあるでしょう。
酔わない方でも、思い通りに移動できるようになるまで時間がかかるかもしれません。

また、本作はマップが広めです。
オープンフィールド的なものではなく、入り組んでいます。
特に最初に訪れるトキオネのドームはもっとも広大で迷いやすいです。
その後はほどよく狭く、遊びやすくなっているのですが・・・。






いまだにワゴンに入ってたり、クソゲーよばわりされたりしている「オプーナ」ですが
ムービーゲーと揶揄される昨今のJ-RPGに 一石を投じた作品です。(断言)
ボイスもムービーもありませんが、ロード時間もありません。
ローポリの糞グラにも、「本当に面白いゲームにはグラフィックなど関係無い」という
静かで強い主張が込められているとさえ思えます。

続編が出たら今度こそ、定価で買ってあげたいと思います。